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吉野仏壇製作所

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今日のブツブツ⑤ 漆とは

 夏のように暑い日が続いていましたが、ようやく今週は梅雨空でしょうか。。

雨の日にはもちろん「洗い」はできませんが今日はお洗濯のネタではなく漆についてちょっとお伝えしようと思います。

 漆は塗料として使われ始めたのは縄文時代。土器の接着剤として使われていました。現在でも塗料として使われるだけでなく、接着剤としても使われています。仏壇の金箔を押す、金粉をまく時にも接着させるのに使われています。

 漆のよさはみなさんもご存知の通り、科学塗料では出せない奥深い艶でしょうか。何度でも塗り重ねられ、「蝋色(ろいろ)」という仏壇の製作工程にありますが磨きだして艶を出すことができます。そして時がたてばたつほど味わいを出し愛着をもって使うことができます。

 科学的にみても酸、アルカリやアルコールなどの薬品や高熱に耐えることもでき、耐水性にも優れています。よく、「漆は水に弱い」とありますがこれはこれは表面にキズがついたりして(花立や仏器などうっかり落としてしまって傷をつけたりしてしまいますが…)、そこの部分の木地の内部に水がしみこみ、下地部分か膨らんでめくれや木地がそったり動いてしまうのそのようにいうのでしょうか。だからこそ、そんな漆には時が立てばたつほど愛着がわく不思議な力があるのかもしれません。

 さて、そんな漆なのですが、普段おまつりされている中でも弱いところもあるのです。。それが「紫外線」です。

蛍光灯の光から出る微量の紫外線ならばそれほど影響はないのですが太陽の光、直射日光には弱いのです。紫外線を長期間受けると白く、そして茶色く劣化してしまうのです。

 

 

洗いをする前の雨戸と障子のかまちです。

金具を抜いたところは光沢が若干あるのですが、その周りは紫外線で白くなってしまっています。

 お仏壇のお洗濯の際には、漆の塗りかえもいたしますが、仏壇の状態がよくそのままの塗りで生かせる場合やご予算にあわせて、漆部分を「磨き」といって、布で磨き上げることで元の光沢へ戻す手法も行っております。お客様と確認しながら作業をおこなっております。 

 これは最初に書いた漆のよいところ、「塗り重ねられて、磨くことができる」からこそ行えるのです。表面の劣化した部分を磨くことできれいに光沢が戻ってくるのです。これも塗師(ぬしや)という職人さんが丹精をこめて丁寧な仕事をしていただいている結果だと思います。

 

写真のお仏壇も作業が終わりましたらまた改めてお伝えします。

 

ブツブツが思うままでお伝えしていてお恥ずかしいのですが今後ともお付き合いよろしくお願いいたします。