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吉野仏壇製作所

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今日のブツブツ② 仏壇のお洗濯 その2 金具を抜く

 先週よりはじめました今日のブツブツは楽しんでいただけているでしょうか。

少しでも多くの方に京仏壇のことを知っていただければと不定期ながら発信させていただこうと思います。

 本日は、「金具を抜く」という作業についてお伝えしようと思います。

先週お伝えした「解く」という作業を終えた仏壇から金具をすべて外して、「メッキ」をし直し、(塗り重ねで厚みが出ないように表面に施されているメッキを外し、地金に戻してから、メッキを行う)新品同様にきれいな状態にします。そして、お洗濯、修理が終わった後、すべての金具を打ち直します。

 伝統的工芸品である京仏壇はその製造元によって細部のつくり、金具の意匠まですべて違ってきています。既製品ではなく、オーダーメイドの仕事の仕方を行っているのです。そうしたこともあって新しく金具を調達してくるというには難しいものです。

 今まで大切にご家庭でおまいりされてきた「お仏壇」をお洗濯して、これからも大切に守っていきたいという思いを受け、できるだけそのままの形できれいな状態へ戻すことが大切だと考えております。そのため、元の金具をすべての鋲を抜いてメッキをやり直すことできれいな状態にする作業が必要になってくるのです。 キズをつけないようにていねいにすべて抜き、職人さんへ出してメッキをし直す。もし、金具の一部がなくなっていたら…その分だけ「かざり」職人さんに作っていただきます。

 

 こちらはこれからお洗濯をするお仏壇になります。

浄土真宗本願寺派、「堂造り」という形で中の厨子が取り外せます。

わかりやすく言うとお寺の本堂の中と同じ造りになっています。

こちらも当店で30年前に製作した京仏壇になります。

 

こちらのお仏壇の中厨子(宮殿=くうでん)をお洗濯するために解きました。

洗濯する前にはできるかぎりバラバラに解きます。お洗濯は言葉の通り、水でジャブジャブ洗うために、水を木地が吸い込んでしまって割れや木の反りがでないように手間はかかりますが最低でもここまでは解くのです。

左下の白いトレーに中厨子の外した金具があります。この部分だけでも100近くの金具があります。傷をつけないように鋲を抜くのは、神経を使います。。この金具ももちろん、表面のキズ、蝶番のへりなど調整を行い、その後、メッキの作業に入ります。

 

 

 新しい品を作るのも大変ですが、「お洗濯」は解くためにそれだけの手間と時間をかけて行っております。お仏壇を大切にされているお客様に納品したときにきれいになったことを驚き、喜んでいただけることがこの仕事のやりがいです。

 

では次回はいよいよお洗濯についてお伝えさせていただこうと思います。

今日もブツブツにお付き合いありがとうございました。